毒とジュエリー時々整体

日々のつぶやき

廃業を惜しみながら



160余年の歴史にピリオドを打った

スイスの老舗ブランド

"フラージャコー"


今更だけどあれこれ調べていたら

ちょっと不思議系の人が


"ここの指輪は着けていたら体調が良くなる。

とても波動が良かったのに破産したのは残念で仕方ない"


というようなことを書いているのを見かけた。


"波動"ってなんだろう?と調べてみると

物の持っているエネルギー、とのこと。

それなら、物理の授業で習った覚えがある。 

じゃあ怪しい話でもないのか(笑)


ただ、この人が言う波動の良い指輪って

フラージャコーならどれもそうなのか?

その人が手にしたものだけの話なのか?

特定の職人さんが手がけたものに限るのか?

素材やデザインは関係ないのか?

物によって違いが出ないのか?

などなど

どう解釈して良いのか判断がつきかねた。


それでも…

しまいっぱなしにしていたとはいえ

奇遇にもフラージャコーを持ってた私。

すぐに引っ張り出してきて着けている。

ゲンキンだなあ(笑)


この指輪、"経年変化"というものに興味を持った時一番最初に買った。

2年間肌身離さずつけていたにも関わらず

傷も目立たず、艶消しも消える気配がなく

全く育たなかったのでつまらなくなって

身につけなくなったのだ。


ライバル?というか日本での人気を二分している

ドイツの鍛造リングがあるんだけど

こちらは割とすぐに艶消しが消えると聞いている。

フラージャコーの艶消しは一体どのようにして

こんな何年もびくともしない加工を施してあるのか?

経年変化があまりに緩やかすぎてそれを楽しみにしていると裏切られるが

逆に言えば、新品の時の美しさを長く保つことが出来るとても頑丈で高品質な指輪、とも言えるわけだ。

それは他の工房の追随を許さない最高峰の技術なのだろう。

高い技術を持った老舗のあっけない終焉は惜しいとしか言いようがない。


その高度な技術に敬意を払いながら

"健康に良い"と(ものすごく不確かな話なのに)

思うと指のリングが愛おしく

目に入る度にニコニコしている。


おそらく私はそもそもが

指輪というものが好きなのだ。

それは幼児体験から来ていると思っている。

幼い頃に読んだ"アラジンと魔法のランプ"

私は魔法のランプには全く心惹かれず

脇役の魔法の指輪に惹きつけられた。

この4〜5才の時の気持ちを今でも持っていて

心のどこかで"魔法の指輪"を探してる

そんな気がする。

だから、偶然見かけた"波動が良い"

という言葉に反応したのだと思う。

しかもたまたま持っていたフラージャコー。

もしかしたらこのお蔵入りしていた指輪

私だけの"魔法の指輪"になったりして(笑)