毒とジュエリー時々整体

日々のつぶやき

フジコヘミング


朝イチで飛び込んできた訃報。


4月21日に亡くなっていたそう。







初めてこの人を見たのはいつだろう?


それはテレビの特集だった。


演奏自体より、彼女の数奇な人生がメインで


こんな波瀾万丈で壮絶な運命もあるのか、と


驚きを持って見た


と同時に


なんと繊細で柔らかく情感たっぷりの演奏だろうと思った。


速く弾けないの


と彼女は言った。


それはもしかしたら演奏家としては致命的なことなのかもしれなかった。


しかしそれでも、私はその速く弾けないところがとても魅力的だと思った。


弾いてる間はずっと神様に祈るのだと言う。


その祈りは確かに音に現れていると思った。


音から光とか色が見える気がした。


こんなふうに情感たっぷりの演奏はいけないってよく言われるの


とシニカルに笑っていたけれど、

それもまた私はとても好きだった。


ほとんど聞こえない耳で懸命に弾く


腕にはいつもお母さんの形見の腕時計


祈りの込められた演奏は


聴く人の胸にも光を届ける。


愛と祈りのピアニスト


フジコヘミングさん



いつかいつかと思いながらも

リサイタルに行けなかったことを

私はずっと悔やむだろう。


ご冥福をお祈りします。







フジ子・ヘミング~ノクターン第2番/ショパン