毒とジュエリー時々整体

日々のつぶやき

ルチルを買わなかった話



友人の旦那さんが厄年で

厄除けに勾玉を買いたいというので

石のお店に行った時のこと


勾玉は尾が太いのがいいらしいよ


なんて言いながらあれこれ見ていて

ふと隣に並べてあった握り石が目に入った。



  *画像はショップさんにお借りしました。



握り石というのは

"フリーフォーム"というのか

手のひらサイズの石の角を取って

つるつるに磨いたもので

流れる水の中で丸くなっていく

河原の石によく似ている。



*画像はショップさんよりお借りしています。 


なぜこのようなものを作るのか?

おそらく質があまり良いとは言えず

磨いてもアクセサリーなどに使えない石を

タンブルとして格安で売り出している

…のではないか?と思う。


私の行くお店でも一つ五百円で

カゴにまとめてどさっと入れてある。

その中から

ローズクォーツやアメジストなど

掘り出し物を見つけて買う。

それを観葉植物の根元に置いたり

眠れない夜に布団の中でニギニギしたり

メモを押さえる文鎮代わりにしたり

時にはちょっとした贈り物にしたり。

意外と使える上に綺麗だから嬉しい。


友人と一緒にいた時に見つけたのは

素晴らしく透明度の高いルチルの握り石だった。

針は少なめだけど透き通っていて

これはお買い得だ、と思ったのだ。


私、これ買う。


そういうと、友人が


「えっ、そんなの買うのやめなよ」


と言った。


友人は石が好きで色々集めているのに

そんなこと言うなんて意外だった。


なぜそれが欲しいのか?


と訊くので、


こんなに透明度の高いルチルは珍しい、

このようなお値段では普通は買えない


と答えると


じゃあ、同じものが沢山あったとしたら

それでも買うの?


とさらに訊かれた。


同じものが沢山あったら…

うーん、それは買わないね


でしょ?だからやめなよ



と、何やら禅問答みたいになり

結局買うのをやめた。



(ルチルの握り石は大体こんな感じで不透明)



西洋ではこうした握り石を

"ポケットの友"と呼び

いつもポケットに入れて持ち歩き

ストレスを感じた時や考え事をするときなど

ニギニギするのだそうだ。

かのチャーチルさんも石をポケットに入れていて

何かあると

「私のポケットの友人と相談するよ」

と言ったということで有名だ。


"友達"は一人で充分だ。

格別に綺麗だからと言って

あのルチルを買わなくて良かった。

既に持っている握り石を大事にしよう。

浮気は良くない(笑)



[おまけ]

友人が買った勾玉、

旦那さんは早速身につけてくれたのだが

ポケットから出し忘れて洗濯してしまい

粉々になったとのこと。


大切なものほどなくしたり壊したりする不思議。