毒とジュエリー時々整体

日々のつぶやき

梅伐らん馬鹿とは言うけれど



朝からゴリゴリギシギシうるさいなー

と思って窓を開けたら、目の前の梅が

恐ろしいほどバッサバッサと

伐られていた。


大家さんの庭を借景している私は

梅が咲くのを楽しみにしていたのに

そんなに伐ったら花が見れないじゃないか。


なぜそんなに伐りまくるんだ?


桜伐る馬鹿、梅伐らん馬鹿


という有名な言葉は知ってる。


うん、知ってるけども…( ˙-˙ )


蕾がせっかくほころんでるのに

今から伐ることないじゃないか。

せめて咲いてから伐ってもいいじゃないか。



その梅は大家さんのもので

私のものじゃない。

だから私が文句を言う筋合いはない。


がっかりしたのと悲しいのとで

カーテンを閉めて少し嫌な気持ちになった。


それからノコギリの音は夕方まで続き

とうとう梅は見るも無惨な姿になった。


ところが

外に出てびっくり

頭上から

"ドモドモ"

と声がするので見上げると

梅の木に近所のおじいちゃん(英国人)が

登っているではないか。

梅を丸坊主にしたのはどうやら

大家さんでなくこのおじいちゃんらしい。


外出から帰ると

おじいちゃんと大家さんが

ちょうど話をしているところで

"手伝ってもらって悪かったね"

"イエ、タノシカッタ"

なんて会話が聞こえてきた。


そうか、おじいちゃんが剪定を手伝う

と申し出たんだな。

大家さんもまさかここまでやるとは

夢にも思わなかっただろうな。


おじいちゃんは大家さんに

"アレモ、キリマス"

と他の木も剪定したい様子だったが

さすがに断られたようだ。

良かった。


そして、今朝早く

"ドモドモッ"

とあのおじいちゃんの声が聞こえて来て

こんな朝っぱらから(7時過ぎ)なんだろう?

と窓から覗いてみると、

大家さんのうちの反対にあるうちの人が

垣根を剪定していて、その人に声をかけている。

もしかしておじいちゃん、この垣根も

剪定させてもらおうとしてるの?

木を伐るのが本当に好きなのね。

英国人だから?


交渉は不成立に終わったらしく

おじいちゃんはしばらくそこで

落ちた枝などの片付けを手伝っていたが

やがて帰ったようだった。


おじいちゃんがこれ以上

住まいの周辺の木を丸坊主にしないことを

借景している私は切に願っている。



注釈)

私がご近所のこの英国人を"おじいちゃん"

と書いたのは、馬鹿にしているわけでも

外国人差別をしているわけでもなく

普段から仲良くさせてもらっており

親しさからの"気安い呼び方"を

そのままここで使用しております。

誤解のないようお願いします。