毒とジュエリー時々整体

日々のつぶやき

待ち合いにて



一縷の望みをかけて通っている

歯医者の待ち合いで

いつもなら聴こえてこないはずの

診察室の会話が聞こえてきた。

どうやら患者さんが耳が遠いらしく

先生も声を張り上げてお話しされているようだ。

別にどうということもない

今後の治療についての会話だったが

私のアンテナは強く反応した。


え?詰め物?


なんと、次回は被せ物をするらしい。


そりゃ、歯医者なんだから

するに決まってるでしょ、というなかれ。


私があれこれ調べた限りでは

専門医の自由診察の場合

そこだけに特化した治療となり

次の段階は別の歯科医がやる…はず?

少なくとも私が見たサイトなどでは

そういう診療所がほとんどだった。

だから私も根幹治療が終われば

被せ物はよそでやってもらう

という流れになっていたし

それで納得していた。

でも、ここでやってもらえるなら

やってもらいたいのが人情というもの。


私は診察の合間を見て先生に

ここで最後までやってもらえるものなのか?

と訊いてみた。

先生は一瞬うっと詰まり、それから

まあ、やらんこともないけどね

とのたまうではないか!(やるんかーい!)

それから続けて

でも、あなた、被せ物は最初の先生のところで

という話になっていたでしょう?

と苦笑い。

いえ、だって、それはそういうものだと

思っていたからであって、やってもらえるなら

ここで最後までやってほしいです。



気まずい空気が流れた。


でも、どんなに気まずくとも

これは私の歯だ。

医者は治したら終わりかもしれないが

私はこの歯と一生付き合っていくのだ。

嫌な顔されようがなんだろうが

1番自分で納得のいくようにしてほしい。

でないと、何かあったときに後悔する。

根幹治療のあと他所に行くのが

たとえ"筋だ"と言われたとしても

ここでやってもらえるチャンスがあるなら

私は逃す気はない。


先生はなんやかんやとぶつぶつ言っていたが

それでも2回分の予約を入れてくれた。

ただし、私が行く予定だった歯科医院に

一度出向き筋を通してから来てほしい、

とのこと。

このまま続けるより、一度そのことを

伝えて了承をもらってからのほうが

やりやすいから、と。

なるほど、患者は自由に病院を選べる

と思っていたけれど、

医者の世界は広いようで狭く

色々あるんだろうな。

私がここに居着くとよろしくないわけだ。

しかし、私は遠慮はしない。

なんのために片道2時間かけて通い

高額の治療費を払い、苦痛に耐え

お菓子も食べずに頑張ってきたのか

ここであきらめたら意味がない。