毒とジュエリー時々整体

日々のつぶやき

鍛造ジュエリーの世界



ここ数年、鍛造ジュエリーに魅せられている。


一昔前は、鍛造といったら

職人さんが鍛冶屋さんよろしく

金属をひたすら叩いて叩いて鍛え上げて作るもの

だったのが、今はほとんどが機械で

叩くというよりギュッと圧縮して作るのだそうだ。


そもそも、革の財布やコートを愛用するうち

長く使って経年変化(経年劣化ではない)を愉しむ

ということに目覚めた。


目覚めてみると

世の中、ジュエリーの経年変化を愉しむ人もいて

それにはやっぱり鋳造ではなく

鍛造で作られたものでないと難しい。

使い込むうちに出てくる独特の艶や照りは

鍛造でなければ味わえない。

(もちろん、鋳造には鋳造の良さや強みもある)


10年、20年と愛用した鍛造ジュエリーの

美しいこと!

とはいえ、経年変化に興味がない人が見れば

ただの傷だらけでボロボロにしか映らないと思う。

だからこれはあくまで自己満足の世界。


お財布と相談しながらこの数年

コツコツと集めてきた

鍛造ジュエリーは3個(少なっ!)



フラージャコー

スイスのメーカー。

初めて手に入れた鍛造リングがこれ。

金属を圧縮して作られていて

とても丈夫。



アイプリモ

日本のブランド。

鋳造と鍛造どちらも作っている。

2番目に手に入れた。




ラウシュマイヤー

ドイツの比較的歴史の浅いメーカー

3番目に手に入れたのがこれ。



三つのリングはどれもとても気に入っているが

ダントツに好きなのはラウシュマイヤー。

なんでこんなに気に入ったのかは自分でも

イマイチよく分からないけれど

これは一生着けていようと思っている。


1番着け心地がよいのはフラージャコー。

作りも1番しっかりしてる。

一目で"いい物だ"と分かる。

老舗の風格がある。


アイプリモは極細なのに鍛造だと

こんなに頑丈なんだ!と感動。

細身リングの概念が吹っ飛んだ。

日本製ならではの隙のない細やかさが

隅々から伝わってくる。

おまけに、こちらはお値段がお手頃。

金の高騰でさすがに値上げしてしまったけど

普通のファッションリングと変わらない金額で

鍛造リングが買えるなんて素敵。



持ってないけど鍛造といったらこちら

ニーシング。

日本に上陸したのもかなり早かったと思う。



これ、見れば見るほど不思議な色合い。

純金とシルバーが絶妙に混ぜ合わされている。

粘土じゃあるまいし、硬い金属同士を

どうやってこのように練り上げたのか?

誰でも作れるわけではなく、

超一流の職人さんの中でも

さらに限られた数人しか

作ることが出来ないと言われている逸品。




"ピュアピュア"という名前の純金鍛造リングも芸術品級。


欲しい…





鍛造ジュエリーとして最近認知度が

上がってきたクリスチャンバウアー

元々は車の部品を作っていたメーカーで

そのノウハウを活かして頑丈なリングを作る。

その分、無機質で冷たい印象だけど

使い込むうちに化ける。

一つ何十万もするのでとても手が出ないが

たまに中古市場で格安で見かける。

でも、即誰かに買われていくので

世の中には

まともな値段で買う気はないけど

お安くなってるなら身につけてみたい

と思う人は私以外にもいるらしい(笑)


鍛造リングに出会う前

ずっと愛用していたリングがあった。

まるで指の一部のように

それはいつも私の指にはまっていた。

ところが、鋳造だったので使ううちに変形し

目でわかるほど擦り切れ薄くなり、

ボコボコとした無数の打傷が出来

それはそれは見るも無惨な姿となった。

指輪ってこんなにボロボロになるんだ!

というのが正直な気持ちだった。


この体験があったからこそ

私は鍛造ジュエリーに惹かれ

身につけたくなったんだろうな。