毒とジュエリー時々整体

日々のつぶやき

ぼくは12歳



中学生の時読んだ


高史明「生きることの意味」


ものすごく心を揺さぶられ


読みながら涙が止まらなかった。




その同じ頃


何かで目にしてどうしても欲しくて買った


詩集「ぼくは12歳」




この詩集は、高史明さんが

12歳で亡くなった息子さんの遺したノートから

詩とかエッセイを集めて一冊の本にしたもので

これを手にした当時私は13?14才?位で

年齢の近い子の書いたものとは思えないほど

大人びた文章に驚き、その繊細さに心を震わせ

まるで恋文のように大切に、

それと同時に貪るように読んだものだ。


この詩集は、その後私の人生の中に

何度も何度も現れるのだった。


ある時、やはりこの詩集を

人生の大切な一冊と語るお笑い芸人さんが

高史明さんに会いに行くという

テレビ番組を見た。




すっかりお坊さんのようなお姿に変貌した

高史明さんは、息子さんからとんでもない

"宿題"をもらった、と言った。

そして、芸人さんの息子さんへの想いなどを

うんうん、と実に興味深そうに

じっと聴いていた。

私も多感な中学生の時から

この詩集を愛読してきたので

それなりの思い入れもあり、

それゆえに芸人さんの言葉は全く的外れな

気がしたりもしたが、それだけ同じものから

人によって全くちがう解釈となるのだなと

語り合う人を持たなかったのもあって

新鮮な思いもあった。


詩集を読んだ若い人から手紙をもらったり

実際に会いに訪ねてこられたりということが

いまだにあるのだということだった。


たった一人の子供を早くに亡くし

手を取り合って慰め合ったであろう

奥さんともどういう理由かはわからないが

離婚され、たったお一人で命に向き合うのは

どんなに孤独で寂しく、それでいて自由だったことだろうか。


7月15日に老衰のためご自宅で亡くなった

ということが24日に発表された。

喪主は編集者の方が務めたとのこと。

"大きな宿題"を無事に終わらせたでしょうか?

最期が穏やかであったことを願うばかりです。

ご冥福をお祈りします。