毒とジュエリー時々整体

日々のつぶやき

さよならの人生


この盃を受けてくれ


どうかなみなみ注がせておくれ


花に嵐のたとえもあるぞ


さよならだけが人生だ



☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆



これは作家井伏鱒二が訳した

中国の詩。

原文を読んだことはないし

たとえ読んでも中国語が出来ないから

意味がないのだけど

なかなかの名訳じゃないかと思う。

日本人の心に沁みてくるものがある。


人は誰かと出会ったら

どういう形であれ

いずれ必ず別れがくる。

そう、必ず別れなければならない。


私はだから生き別れというのは

案外悪くないと思っていた。


喧嘩別れとか自然消滅とか

引っ越しや転勤、結婚などで

そのまま疎遠になり連絡先も分からなくなり

今やもう会えなくなってしまった人達…


痛みがないわけじゃないけれど

それでも、時折り思い出して

今どうしてるかな?

元気にしてるかな?

と身勝手に思いを馳せる事が出来る。

それは少し切なくて、でも懐かしくて…


知ることすら叶わない相手の今。

関わりがないから無責任でいられる。

どこかで元気にしてるだろう、と

思えるからこそ思い出す心地よさがある。


でも…


最近は思う。


それはただの保身で逃げてるだけなんじゃないか、と。


なるべく辛くない方

痛みの少ない方

楽な方


人と本気で関わるということは

先に透けて見える別れを恐れることじゃなくて

それを受け入れて引き受けた上で

今共にいることを大事にすることなのかもしれない、と。




なんだかふと心によぎったので

記録のために書き留めてみた。