毒とジュエリー時々整体

日々のつぶやき

指輪を育てるには


指輪の経年変化を楽しみたくて

訳も分からず買ったその指輪が

機械鍛造でおそろしく頑丈で

頑丈通り越して4年使っても

全く変化が見られず

似合わないのもあって挫折した


という話を昨日書いた。


そうしたら、偶然にもそうした指輪を扱う

お店のブログを見つけた。

店長さん自身も経年変化を楽しむ

ということを大切に考えながら

日々お店に立つとのこと。


そのブログに

機械鍛造はとても丈夫なので

変化が見られるのは10年目くらいから

と書いてあった。


10年!!


なんと気の長い話…


もうそれだけで諦めた。


たいして思い入れもない、

そして似合いもしない指輪を

10年も肌身離さずなんて

絶対無理っ!


やはりこういうのは

愛を誓った結婚指輪とか

とても気に入って惚れ込んだ指輪とか

そんなのじゃないと難しいんだな。


とはいえ

かつて私も1つの指輪を

10年以上肌身離さずつけていたことがある。

それは指輪というより

ルースで選んだ石を指輪に仕立てたもので

石に思い入れがあったからつけていた。


しかし、鋳造だったので

10年使ううちに変形し、傷も無数について

見るも無残な有様となった。

すり減り度合いも凄まじく

手のひら側は目で見ても分かるくらい

極端に薄くなっている。

とても"育てる"なんてものじゃない。

味わいもなく、ただのボロボロな指輪となった。

これが鍛造と鋳造の違いかあ…


そんな体験もあって

やはりずっと身につけるなら

鍛造が良いと思うようになった。


もちろん鋳造を否定するつもりはなくて

鋳造には鋳造の良さがあるわけで

その強みの1つとして

かなり自由に形が作れることから

デザイン性の高いものに向いている。

これは鍛造では出来ない。

お出かけ用の華やかなジュエリーは

鋳造が良い。

たまにしかつけないならそこまで傷まないし。


もちろん、耐久性云々関係なく

鋳造の結婚指輪を選ぶ方々もいるし

使ううちに変形しても、それを"歴史"として

傷と共に受け入れる人も少なくない。

少なくとも、金属である以上

風化してプラスチックや紙のように

年月と共にボロボロと崩れたりはしない。


何を選ぶかは人それぞれで

どれもその人にとっての正解なのだと思う。


私のような経年変化を楽しみたいけど

"10年目から変化が現れる"という

悠長なのは耐えられない、と思う奴は

わざわざお高い鍛造を選ぶよりは、

いっそある程度厚みのある鋳造品のほうが

すぐに変化が現れるのでかえって良いのかも。

厚みがあることである程度変形を防げる。

摩耗はさすがに避けられないけれど

これも分厚いものにすることで

すり減ってもそこまで気にならないだろう。


うん、これは我ながらなかなかの名案(^^)