子供の頃からやたらと見るアナウンサーさんがいた。
特に好きでも嫌いでもないのに、何故か見かけてしまう人。
帰国子女で良家の1人娘で美人、まるで少女漫画の主人公になりそうなその方が
40才位?でかなり年の離れた人と結婚した時は少し驚いた。
見た目が全てでないけど相手の男性は冴えない感じの方だった。
(アナウンサーさんも子供欲しさの結婚だった、とあり得ない発言をしていた)
お子さんも産まれてアナウンサーというよりタレントさんみたいな立ち位置でお見かけするようになった頃に離婚。
と、ここまではよくある話である。
ある日、新聞を広げてそのアナウンサーさんの訃報を目にしてびっくり!
50代半ば、お子さんは13才とのこと。
ご両親はお母さんは亡くなっていたがお父さんは80代でご健在。
元旦那さんは60代。ご両親は既に亡く一人っ子なのでほかに身内はいない。
お子さんには80過ぎたおじいさんと60代のお父さんしか身寄りがないということだった。
おじいさん(アナウンサーさんのお父さん)はアナウンサーさんが病気であることを知らなかったという。
入院する時に身元引受人が必要だからと連絡があったものの
重篤な病気とは思っておらず、そろそろ退院するだろう
と思っていた矢先に亡くなったと連絡があり大変驚いたそうだ。
病名は本人の希望でおじいさんがどんなに訊いても病院は教えてくれなかったとのこと。
個人情報保護は身内でも守られるようだ。
おじいさんはその後一人でアナウンサーさんの家を片付けたそうである。
遺されたお子さんのために売れる物は全て売りお金に変えたとのこと。
自分は孫が成人するまで生きていないだろうと思われるので
音信不通だったアナウンサーさんの元夫に連絡をして
お子さんと一緒に住むよう段取りをした。
人ごとながら胸が痛かった。
同時に晩婚ということ、遅くに子供を待つということについて非常に考えさせられた。
(私は子供を持たなかったので余計に…)
話にはまだ続きがある。
今年に入って何気なく見ていたネットニュースに
アナウンサーさんの元夫が突然亡くなったと出ていたのだ。
肩書きのある人だったからニュースになったのだけど、お名前だけだったら私は気がつかなかっただろう。
ご丁寧にアナウンサーさんの元夫という事も紹介されていたので気がついたのだ。
アナウンサーさんのお父さんは、というと
ご健在ではあったが一人暮らしは不自由という事で
既に施設にお暮らしだという。
まだ未成年のお子さんはこれからどうなるのだろうか?
おそらくおじいさんがまた尽力されて良いように計らっていかれるとは思うけれど。
こうした一連の出来事は、調べたわけでなく全て偶然見かけて知ったのである。
身近にもこうした"特に親しいわけではないのに何故か近況を知ってしまう"という存在がいるけど、これもご縁というものか?